ソーシャルワーカーが基盤とする価値の内在化に関与する要因の探求
-ナラティヴ分析を通して-
菊池 留美
和文抄録
本研究では,ソーシャルワーカーが基盤とする価値の内在化に関与する要因を明らかにすることを目的として,15 人のワーカーへの半構造化インタビューを行い,そのうち14 人の語りをナラティヴ分析によって分析した.その結果,価値の内在化に影響を与えた要因は,【ゆさぶられる経験】【実践と省察の積み重ね】【実践/教育に関わる他者からの教え/関係性】,【個人的な要因】に分類された.実践や個人的な経験を通して生じた,クライエントと共にあることの認識と社会の不条理さに対する懐疑が,ソーシャルワークの価値を醸成する一つの契機となっていた.また,教員や先輩支援者からの承認や関係性が価値の認識の深化に寄与したことが示唆された.ワーカーが基盤とする価値は経験とふり返りの循環を通して変遷・発展していくことから,継続した学びと省察の機会は不可欠であり,ワーカー自身の関係性に着目した養成教育・継続学習の検討が求められる.
ソーシャルワーク学会誌第51 号15-27 2025 本文(PDF434KB)
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