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中国の家族文化を背景としたクライエントの主体性理解と支援判断

-ビネットを用いたソーシャルワーカーへのインタビューを通して-

黄 慧娟

和文抄録

 本研究は,家族文化を基盤とする中国社会において,クライエントの主体性がどのように理解され,支援判断へ結びつけられているのかを,18 名のソーシャルワーカーへのビネット・インタビューから検討した.分析の結果,本人と家族の家族観・介護観を尊重し自宅介護の可能性を探る方向と,家族全体の生活維持や介護負担の軽減を重視し施設介護を現実的選択肢として提示する方向が併存していた.これらは単なる対立ではなく,本人の意思,家族関係,孝文化,介護負担,生活条件を関連づけて理解する支援判断の枠組みに関わるものであった.中国の家族文化を背景とした主体性は,独立した意思決定としてのみではなく,家族関係や生活条件との調整の中で形成される「関係的主体性」として捉えられることが示唆された.さらに,文化的価値観が本人や家族の生活を支えるものか,過重な負担や権利の抑圧につながるものかを見極める視点の重要性も示された.

ソーシャルワーク学会誌第52号 33-53 2026 本文(PDF1.12MB)
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