2025年大会の大会校企画シンポジウムで生じた事案に対する会長見解
日本ソーシャルワーク学会会長 小山隆
昨年、関西学院大学で行われた大会校企画シンポジウムにおいて、ひとりのシンポジストへむけられた質問(匿名での質問フォーム)により、ご本人がマイノリティとしての自分のセクシュアリティを公表せざるをえない状況におかれました。その後、8月12日に、大会実行委員会より「日本ソーシャルワーク学会第42回大会における人権侵害につながりかねない事案発生の報告とお詫び」が、大会参加者に対してメールで配信されています。この事案について、学会長として現時点での振返り・反省と今後に向けての見解を以下に記します。
まずは、会長として、本学会の大会が登壇されたシンポジストに苦痛を与える結果を招いたことや、参加者にとって安心・安全な議論の場となり得なかったことをお詫びいたします。その場に居合わせながら、適切な対応を行うことができなかったうえに、事後においても当事者・関係者の方々の思いに迅速かつ適切に向き合えなかったことを反省いたします。そのことが今後の学会を変えるチャンスになるはずであったのに、その機会を逃してしまいました。これらを反省し、ご本人をはじめ、関係者の方々、実行委員会に対してお詫び致します。
そして、この問題は決して矮小化された「個別事案」としてとらえるべきものでないことも確認したいと思います。「多様性尊重」について我々は理念としては認めながらも、日々の行動レベルで実現できているか、社会が問われていることとしてとらえることも必要です。そして多様性問題に限らず、社会に存在する様々な偏見・差別にかかわる問題についても、学会が理念としてだけでなく、実態として課題解決に取り組んでいく努力をしていきます。
具体的にはワーキンググループの報告をもとに、学会としての基本的姿勢を確認していきたいと思います。すでに、学会としてシンポジウムやセミナー等での安心・安全な環境を確保するため、大会運営ガイドラインを明文化するとともに、「グラウンド・ルール」を作成しましたが、さらに学会がすべての人にとって安心・安全な議論と相互研鑽の場となるよう、継続的に学会運営について見直していきます。
なお、ワーキンググループによる報告書が7月10日に理事会に対して提出されました。そのため、今回の文書は報告書の詳細に対応するものとはなっていません。いただいた報告書の指摘を受けながらさらに、学会としての検討・改善を続けて行きたいと思います。