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2018年度 第35回大会

1.開催日程

2018年7月21日(土)-22日(日)

大会専用ホームページはこちら
http://www.socialwork-jp.com/2018jsssw/index.html

2.大会テーマ

ソーシャルワーク専門職の社会的承認
―社会福祉士30年,精神保健福祉士20年を経て,ソーシャルワークが社会に承認されるために求められること―

3.大会趣旨

ソーシャルワーカーの国家資格として,社会福祉士が1987年5月に成立し,第1回国家資格が1988年に行われて30年を迎える。

ソーシャルワーカーの専門職化を考えるとき,専門職の条件は非常に重要である。例えば,E.グリーンウッド(Ernest Greenwood,1957)は,専門職の条件として,次の5つをあげている。それは,1.体系的理論(Systematic Theory)、2.専門的権威(Authority)、3.コミュニティの承認(Community Sanction)、4.倫理綱領(Ethical Codes)、5.専門的文化(A Culture),である。そして,3.コミュニティの承認に関しては,非専門職は専門職として認められるために,教育,経験,見習い,独占を明らかにすることの必要性を述べている(アンダーラインは筆者が追加)。

また,A.フレックスナー、E.グリーンウッド、G.ミラーソンの3つの概念の特徴を比較して、社会福祉専門職の条件として6点も指摘されている。それは,①体系的な理論,②伝達可能な技術,③公共の関心と福祉という目的,④専門職の組織化(専門職団体),⑤倫理綱領,⑥テストか学歴に基づく社会的承認,である。

この他,簡易的な5つの要素として,①教育,②倫理,③経験,④検査,⑤エンティティが示されている。このモデルは、公衆と政策の議論を促進し、新興専門家グループとの議論の出発点となっている。ここでは,社会的承認については,「検査」という項目の中で「上記(教育,倫理,経験)の全てが社会的に評価され,保障される仕組み」と説明されている。

この30年の間において,これらの専門職の条件として,さまざまな議論がなされてきているが,社会的承認に関しては,大きく取り上げられることがなかったといえよう。

そこで,今大会では,ソーシャルワーカーの専門職化が進んでいるイギリス・ボーンマス大学教授のジョナサン・パーカー(Jonathan Parker)を招き,イギリスにおけるソーシャルワーカーの社会的承認について,どのような取り組みがなされているのかに関する基調講演を開催する。

また,基調講演を受けて,ソーシャルワーカーの職能団体として,(公社)日本社会福祉士会,(公社)日本精神保健福祉士協会,(公社)日本医療社会福祉協会と,厚生労働省においてソーシャルワーカーの専門職の確立に取り組んでおられる添田正揮 専門官を招き大会主催校シンポジウムを開催し,(NPO)日本ソーシャルワーカー協会会長 岡本民夫 氏に指定討論者としてご発言いただき,日本におけるソーシャルワーカー専門職の確立に関する議論を深め,今後の方向性を探りたい。

4.大会プログラム

《1日目》7月21日(土)

9:30~10:30 受付
10:30~10:45 開会

学会長挨拶 日本ソーシャルワーク学会 学会長 小山 隆(同志社大学)
オリエンテーション

10:45~12:00 基調講演
テーマ イギリスにおけるソーシャルワーク専門職の専門性確立と社会的承認の歴史と現在
講師 ジョナサン・パーカー 氏(Parker Jonathan)[イギリス,ボーンマス大学教授]
通訳 ティム・クレミンソン 氏(Tim Cleminson)[川崎医療福祉大学]
座長 熊谷 忠和 氏(川崎医療福祉大学 医療福祉学科 学科長)

Jonathan Parker
Dr. Jonathan Parker is Professor of Society & Social Welfare and Director of the Centre for Social Work and Social Policy at Bournemouth University.
著書
Jonathan Parker,Greta Bradley(2006)Social Work Practice: Assessment, Planning, Intervention and Review (Transforming Social Work Practice Series),Learning Matters.(=2008,岩崎浩三・高橋利一監訳『深化するソーシャルワーク-事例で学ぶアセスメント・プランニング・介入・再検討-』筒井書房.)
Jonathan Parker(2010)Effective Practice Leaning in Social Work(=村上信,熊谷忠和監訳(2012)『これからのソーシャルワーク実習―リフレクティブ・ラーニングのまなざしから―』晃洋書房.)

12:00~13:00 昼食休憩
13:00~16:00 開催校主催シンポジウム
テーマ 日本におけるソーシャルワーク専門職の社会的承認は進んでいるのか
-職能団体のこれまでの取り組みと今後の課題-
シンポジスト 西島 善久 氏(日本社会福祉士会)
柏木 一恵 氏(日本精神保健福祉士協会 会長/浅香山病院)
早坂 由美子 氏(日本医療社会福祉協会)
添田 正揮 氏(厚生労働省)
指定討論者 岡本 民夫 氏(日本ソーシャルワーク協会 会長)
コメンテーター ジョナサン・パーカー氏(Parker Jonathan)
通訳 ティム・クレミンソン 氏(Tim Cleminson)[川崎医療福祉大学]
コーディネーター 長崎 和則 氏(日本ソーシャルワーク学会理事/川崎医療福祉大学)
16:15~17:45 学会年次総会
18:00~20:00 情報交換会

《2日目》7/22(日)

9:00~9:30 受付
9:30~12:30 学会主催シンポジウム
テーマ 社会課題解決に有効な実践モデルの開発と、その制度化に向けたソーシャルワークの方法論
~地域共生社会づくり・社会的インパクト評価/投資の潮流に対応するアプローチを考える~
趣旨 近年、日本の社会福祉をめぐるさまざまな領域において、既存の制度や社会サービスでは対応できない、さまざまな新しい社会問題・社会福祉問題が拡大し、有効な解決の途が模索されている。このような社会的な諸問題に対して、ソーシャルワークはどのような「独自性」「固有性」を提示し、問題解決に有効な固有の専門性を発揮することができるであろうか。
このような中、社会的に地域共生社会のあり方が問われ、ソーシャルワーク専門職における有効な方法論として、住民・国民のニーズに応え得る効果的な実践モデルの開発と改善、定着と実施・普及、制度化のための専門的アプローチ法を定式化することが重要な課題になっている。一方では、社会的課題解決に向けたソーシャルビジネスの役割と機能が注目され、その充実のため社会的インフラ整備が進められるようになった。そのための方法論として、社会的インパクト評価・投資、そしてエビデンスに基づく政策立案(EBPM)に大きな関心が集められている。しかしながらこのような動向に対して、ソーシャルワーク関係者の反応は必ずしも十分ではない。
このシンポジウムでは、社会課題解決に有効な実践モデルの開発とその制度化に向けてソーシャルワークが取り組むべき有効なアプローチ法を、参加者の皆さんと共に討議することにしたい。それとともに、ソーシャルワークがこれらの諸問題に適切に対応し、社会的承認を得ることに有効な固有の専門性とは何か、についても議論できればと考えている。
シンポジスト 源由理子氏(明治大学公共政策大学院教授/日本評価学会副会長)
社会課題解決に向けた社会的インパクト評価の動向とソーシャルワーク専門職への期待
山野則子氏(大阪府立大学教授/同スクールソーシャルワーク評価支援研究所)
エビデンスに基づく実践モデルの構築と制度・政策化へのアプローチ
室田信一氏(首都大東京都市教養学部准教授/NPO法人コミュニティ・オーガナイジング・ジャパン代表理事)
地域の問題解決に有効な住民参加型の効果モデル構築とソーシャルアクションの方法
川上葉子氏(生活クラブ風の村企画課長/社会福祉士・精神保健福祉士)
当事者・住民ニーズにもとづく生活クラブ風の村の実践~実践モデルの開発と共有化の取り組み~
コメンテーター 西島善久氏(日本社会福祉士会会長)
日本ソーシャルワーク学会から
コーディネーター 大島巌(本学会副会長、日本社会事業大学教授)
12:30~13:30 昼食休憩
13:30~16:30 自由研究報告

(1報告につき,報告20分,質疑応答10分)

5.参加費等

会員(共催団体の会員含む) 非会員 大学生・大学院生
事前申込 7,000円 8,000円 3,000円
当日申込 9,000円 9,000円 3,000円

【情報交換会費】5,000円
【昼食代】1食 1,000円(お茶付き)※事前申込みのみ

6.大会参加申し込み方法

◆事前参加申し込み:2018年3月14日(水)~6月22日(金) 締め切り
次のURLから,参加申し込みフォームにアクセスしてお申し込みください。
https://ssl.formman.com/form/pc/C58OVV6ic4Xt4v5K/

◆参加費支払締切:2018年6月29日(金)
◆参加費支払い先について
参加費は次の口座に振り込んでください。
中国銀行 笠岡支店
普通口座 2509560
口座名義 日本ソーシャルワーク学会第35回大会 事務局 岡崎 利治

7.自由研究発表の応募資格、期間、方法,抄録の作成及び提出について

【自由研究発表の応募および抄録の提出期間】

◆自由研究発表の応募資格

応募資格は、日本ソーシャルワーク学会会員であり、かつ年会費を納入していることです。もしくは、共催団体の会員です。
※共催団体(申請中)
(NPO)日本ソーシャルワーカー協会、(公社)日本社会福祉士会,
(公社)日本精神保健福祉士協会,(公社)日本医療社会福祉協会
(一社)岡山県社会福祉士会、岡山県精神保健福祉士協会、
岡山県医療ソーシャルワーカー協会
※なお、応募されたかたの所属団体に会員資格を照会いたします。

◆自由研究発表の応募期間及び申し込み

○自由研究発表の申し込み
自由研究発表の申し込みをされる方は、抄録原稿(コピー2部)とデータを2018年3月14日(水)~ 5月14日(月)の期間にお送り下さい。

受付を延長しておりましが、6月8日(金)で締め切りました。多数のエントリ―、ありがとうございました。

いただいた原稿はそのまま使いますので、ご注意ください。なお、お送りいただいた原稿はお返しできませんのであらかじめご了承願います。
送付先 ⇒ jsssw2018taikai@socialwork-jp.com

(1)原稿の構成
◆抄録原稿は別紙のように作成してください
◆用紙設定は「A4版1ページ、上下余白25㎜、左右余白25㎜」でお願いいたします。
◆原稿の構成は原則として、
1.研究目的、2.視点および方法、3.倫理的配慮、4.結果、5.考察、文献
の項目に分けて記述してください。

(2)演題報告ほか
◆一演題につき、報告時間20分、質疑応答10分の計30分とします。
◆報告開始後、15分で1鈴、20分で2鈴(報告終了)、30分で3鈴(質疑応答終了)
の合図をします
◆パワーポイントをご使用になる方は、事前に上記【送付先】に7月13日(金)17:00までにデータをお送りください。また,当日,データをUSBでご持参ください。
◆当日、資料をお配りになる方は、50部ほどご持参ください。
(事務局でコピーをお受けすることはできません)

8.大会要旨集の抄録

大会要旨集用の抄録(A4用紙2枚分)の提出を自由研究発表の応募と併せてお願いします。自由研究発表のお申し込み後にご案内するアドレスへ、データファイルをメールに添付して送付してください。
抄録の様式は、別紙の通りです(ネットからはダウンロード可能)。

※応募いただいた演題および抄録原稿は大会実行委員会で査読し,採否を決定します。
結果は6月初旬に通知します。

9.ワークショップ

「研究のできるソーシャルワーカー」を目指して(2)
― 研究計画を構想してみよう―

主催

日本ソーシャルワーク学会 研究推進第3委員会

テーマ・趣旨

日本ソーシャルワーク学会は、研究推進事業の一環として、現在、ソーシャルワーク実践者に向けた研究ガイドブック(『ソーシャルワーカーのための研究ガイドブック(仮題)』)の出版を企画しています。この企画と連動して、2017年度(日本ソーシャルワーク学会第34回大会)より、本企画に関する関係者への周知と企画内容の検討を目的とするワークショップを開催してきました。今回のワークショップはその2回目となります。

第1回ワークショップと同じように、はじめに参加者の共通理解を得るために、実践者が研究する意義や研究の進め方について解説します。今回のワークショップは、研究計画に焦点を当てるため、最初に「研究プロセスの実際」について確認し、そのうえで、「研究計画におけるリサーチクエスチョン」を中心に解説します。

次に、日々の業務の中から問題意識を持ち、研究を試みようとする実践者に登壇いただき、実践内容と問題意識、研究を進める上での難しさについて報告を受けます。

後半は実践者の報告をもとに、研究計画書の構想に焦点を当て、問題関心からリサーチクエスチョンの立て方、研究方法の選択方法、倫理的配慮など、研究のプロセスを明確にし、各段階で生じる疑問に答える形で助言し、参加者を交えた討議を行う予定です。皆様のご参加をお待ちしております。

開催日時

7月20日(金) 17:30~20:30

開催場所

川崎医療福祉大学

報告者

白川 充 氏(仙台白百合女子大学)
佐藤 俊一 氏(淑徳大学)
杉本 明生 氏(社会福祉法人旭川荘 児童発達支援センターみどり学園)
※川崎医療福祉大学 大学院博士後期課程

進行

長崎 和則(川崎医療福祉大学)

プログラム

17:30~17:40 趣旨説明、紹介
17:40~18:40 「研究プロセスの実際と研究計画におけるリサーチクエスチョン」
白川 充 氏(仙台白百合女子大学)、佐藤 俊一 氏(淑徳大学)
18:40~19:00 実践者からの報告
杉本 明生 氏(社会福祉法人旭川荘 児童発達支援センター
みどり学園)※川崎医療福祉大学 大学院博士後期課程
19:00~19:10 休憩
19:10~20:30 実践者に対するライブ・スーパービジョン、フロアも交えた討議

開催日程と申し込み等について

日時 7月20日(金)17:30~20:30(大会前日)
参加費 無料
申し込み 大会事務局までメールにて事前申し込みください。
定員 30名

10.宿泊等について

宿泊については、斡旋をいたしておりません。 各自でご予約ください。
なお、大学周辺にはホテル等はほとんどありません。倉敷駅周辺、または岡山駅周辺が便利です。

11.会場へのアクセス

会場や交通機関につきましては、川崎医療福祉大学ホームページをご覧ください。
https://w.kawasaki-m.ac.jp/data/access/

大学の最寄り駅はJR中庄駅です。
新幹線上り、下りとも「JR岡山駅」下車
→JR山陽本線へ乗換え「中庄(なかしょう)駅」下車

12.実行委員

大会長 熊谷 忠和(川崎医療福祉大学 医療福祉学科長)
実行委員長 長崎 和則
副実行委員長 竹中 麻由美
事務局 岡崎 利治・宮宇地 雄介
実行委員 植田 嘉好子岡本 宣雄小川 知晶小田桐 早苗竹中 理香直島 克樹中尾 竜二仲井 達哉李 永喜

13.お問い合わせ先

日本ソーシャルワーク学会 第35回大会 in 岡山
〒701-0193 岡山県倉敷市松島288
川崎医療福祉大学 医療福祉学部 医療福祉学科
長崎和則研究室内 大会事務局
jsssw2018taikai@socialwork-jp.com

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